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第18回問い立てラボ

「地域と繋がる学校づくりとは」
社会に開かれた学校づくりを推進する広島県高校魅力化コーディネーター全員集合!

ということで、12月6日(金曜日) 19時から21時、おりづるタワー10階のエソール広島で開催されました。

ご覧の通り、世界遺産原爆ドームが窓の外から見えます。夜なのでライトアップされて昼間とは違ったまたムードのある原爆ドームを見ることができました。

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まずは世話役、山﨑友亮さんのオープニングです。

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問い立てラボのこれまでの取り組みや概要を紹介されました。

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本日のメニューはこちらになります。

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そして今日の3人の登壇者は、

木村心さん
   大柿高校魅力化コーディネーター

伊藤博暁さん
   油木高校魅力化コーディネーター

取釜宏行さん
   大崎海星高校魅力化コーディネーター

のお三方です。

どちらの高校も広島県の県立高校の中で、定員割れを起こし存続の危機に立たされていた学校です。地域とつながることによって、高校の魅力をどのようにアップしていったのでしょうか。

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まずは木村さん

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木村さんは江田島市出身で、広島市に就職した後、地元に帰ってきて、たまたま地域魅力化コーディネーターの募集を放送で聞いて応募したという、まさに運命的な選択だったそうです。

大柿高校は統廃合の危機を迎えて、学校の入学者を増さなければなりませんでした。  

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その取り組みの一環として、コーディネーターを配置し高校の魅力をアップさせることによって入学者の増加を図ろうとしたわけですね。

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じゃあどんなことをやってきたのかというとまずは生徒募集しなければならないのでPR活動に力を入れたそうです。

特に生徒を連れて学校の説明会に行き、生徒に学校の魅力を語らせることによって、小学生や中学生が大柿高校に魅力を感じ、入学希望者増加につながったというお話でした。

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その他にも学校新聞を持って小学校中学校に遊びに行ったり、学校の取り組みを記した壁新聞を作成しあちこちに貼らせてもらったりFacebookをほぼ毎日更新したりとPR活動を盛んにされました。

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また地域と合同でお祭りをやったり総合学習をやったりと地域と学校とのパイプ役を意識してされたそうです。

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そんな中でいろいろな悩みも生まれました。

まずは学校との関わり方です。

コーディネーターという部外者が職員室にいるということで、最初は違和感や疎外感があったそうですが、職員室にとにかく居座り続けることによって次第に先生方を理解し、関係を作る中で、先生たちも彼女の存在を認め、意識が変わってきたそうです。

またコーディネーターという調整的な役割はいろんな人からいろんなことを言われます。

一生懸命頑張るのですが次第次第に積み重なり、パンクしていくということもあったそうです。

その分注目されているんだと思い、教頭先生に愚痴を聞いていただくなどして乗り越えていかれました。

さらに、コーディネーターという役割に対しても、まだまだはっきりとした役割を認識していなくて、単なるマスコットキャラクター的存在なのだろうか?と自分自身も確固たる立ち位置を認識できずにいるというお話でした。

悩みながらも自ら選んだコーディネーターという仕事に体当たりし、いろんな人と関係を作りながら、何よりも若い生徒と若い木村さんとが連帯しあいながら大柿高校を盛り上げていく姿に感動を覚えました。 

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今後は田舎でも生徒たちの進路の選択肢を減らさないようにすることと、高校生に地域のコーディネーターの仕事を引き継いでいってもらいたいという展望をお話しされていました。

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神石高原町、油木高校の地域魅力化コーディネーター、伊藤博暁さんのお話です。

伊藤さんはそもそも千葉県出身の方で、地域の魅力をアップさせることによって、過疎化とか少子化とか、人口減などの格差問題に取り組み、地域を活性化させていきたいという思いを持って、全く知らないところに飛び込んでみよう!と言う意気込みでこられたそうです。

実際には子供たちは一旦外に進学しても、地域に帰って地元に貢献したいという思いや願いを持っていいるのですが、地域の方々が、若いもんがおらん、後継者がおらんといいながら、高校生が地元に戻ってきたいと言うと、ここでは食べていけない、街へ行ったほうがいい、といった矛盾した展開になってしまっているというミスマッチを何とかしたいということでした。

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そこで油木高校の地域魅力化コーディネーターに着任。

油木高校もかなりの田舎です。

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そんな中で高校の魅力を高めるために、総合的な探究の時間の授業設計と神ゼミというプロジェクトを実施するという2つの柱に取り組まれました。

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先生方から様々な聞き取りを行い、情報集めたり、話し合いを行ったりして、総合的な探究の時間のデザインをされたそうです。

その結果、1年生ではリテラシーの育成、2年生ではインターンシップと個人研究をやり、3年生では今後の検討を経て個人研究にするかグループ研究にするかまだ未定だそうです。

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まず1年生のリテラシーの育成では、ジグソーを取り入れて、様々な活動を通して生徒のリテラシー、読み書きの能力を上げていこうという狙いで行われました。

「自分の学び方を見つける」という単元では自分の中に踏み込むことができず、うまくいかなかったというお話でした。

そこで改善を行い「想いを伝える」というテーマで学習を展開し、その中で地域の人のお話を聞いたり、プレゼンテーションを行ったりと様々なスキルを育成していこうと、いわゆるカリキュラムマネジメントを行ったということでした。

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神ゼミでは、4つのカテゴリーでプロジェクトを行っているそうです。


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高梁川流域の河川調査に取り組んだら、ビジネスコンテストに応募したり、動画クラブでは動画コンテストに応募したり、こども未来会議では全国ユース環境活動発表大会に参加したりと、まだまだ構想段階ですが、各プロジェクトを外部の大会やコンテストと繋いで形の見えるものにしていくというお話でした。

全く知らない環境に飛び込んで、自分らしさを発揮し、どんどん学校や地域の人を巻き込んで前に進んでいくという、若さ溢れるパワーを感じる発表でした。

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次は大崎海星高校の魅力化推進コーディネーター、取釜宏行さんの発表です。

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取釜さんの略歴は画像にあるように、地元出身で、教員免許もお持ちで、ベンチャーで修行したり、キャリア教育コーディネーターの資格も取得されたりと、多才な方です。

大崎上島は最近は次第に活性化されてきておりますが、やはり統廃合の危機を迎えていました。

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そこで、大崎海星高校の、ここでしかできない教育を実施。

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それが、地域連携キャリア教育「大崎上島学」。

1年では羅針盤学といって、自分自身を掘り起こします。

2年では潮目学。地域の大人から学びます。

3年では航海学。自ら研究していきます。

これらのカリキュラム開発は、先生たちと付箋を使いながらKJ法で話し合いを重ね開発していったそうです。

生徒自身、地元の大人の取材に何度も足を運び、地元で働く社会人の姿を、プロのデザイナーと連携して印刷のクオリティー高いパンフレットに仕上げていたのですが、デザインも内容も大変充実した魅力的なパンフレットが出来上がっていました。

また伝統的な大崎上島の行事、櫂伝馬競漕を学校で行うという大胆なイベントも開催。

宮島まで生徒は船を漕いでお参りに行ったそうです。

その時の生徒の感想がこれです。

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そんな中で、コーディネーターの業務内容についての説明をされていました。

これはホームページにもあるそうなのですが、多岐に渡っているのですね。

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そして最も難しいのが、地域と学校との目線合わせ。

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学校は生徒が1番、地域は自分たちのことが1番、それぞれに優先順位が違い話が噛み合わなくなってしまいがちです。

そこをうまく間に入って連絡、調整していくのがコーディネーターの役割ではないかとおっしゃっておられました。

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このような取り組みで大崎海星高校の生徒数は増加していきました。

大掛かりな行事を先生や地元の人たちを結びつけながら、ときには行政の資金をうまく調達しながら、まさに舵をとっていく姿が印象的でした。

その後はグループに分かれて登壇者と交流を行いました。活発な話し合いで時間はあっという間でした。

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山﨑さんのグラレコ。

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地域との連携は今後の教育の大きな流れになっていきます。

そんな中で最先端に取り組まれているお三方の話を聞き、またまたさまざまな学びを得ました。

皆様ありがとうございました。