2018年6月30日(土)14:00~18:00
場所 インテリジェントホテル

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TTL(問い立てラボ) 第四回セミナー
大学入学共通テストが求める「主体的・対話的で深い学び」とは

【日時】2018年6月30日(土) 14:00~18:00

【プログラム】

●第一部 14:00~15:50
独立行政法人大学入試センター審議役 大杉 住子 氏 講演

演題「高大接続の背景と教育現場に期待する授業改善~なぜ問いを立てる力が必要となるのか~」

大杉住子氏
1997年、文部省(現・文部科学省)入省。幼児教育、大学教育、キャリア教育など教育分野を中心に担当し、ユネスコ教育局アソシエイトエキスパート、愛媛県教育委員会保健スポーツ課長、在イタリア日本国大使館文化学科アタッシェなども歴任。2014年から文部科学省初等中等教育局教育課程課教育課程企画室長として学習指導要領改訂の中核を担い、2017年4月より現職。2020年度から実施される「大学入学共通テスト」の作問に関する業務に携わっている。

●第二部 16:00~17:50   株式会社 Coach For All CEO 佐々木 宏 氏

演題「生徒の主体性をはぐくむ”開かれた質問”の作り方と使用事例~学習意欲を刺激する教えない対話力とは~」
※当日は探究学習や生徒支援に関する質問リストを配布します。

佐々木 宏氏
広島大学産学地域連携センター研究員、および同大起業部「1stペンギンクラブ」主宰。学習コーチアカデミー主席研究員。定型化が不可能と言われているコーチングの対話を要素分解し、クライアントの課題やフェーズに合わせたコーチングアルゴリズムの研究に取り組み世界初のAIコーチングを開発中。『学校選択制時代の中高公立校ガイド』(同友館)『学校では教えてくれない、難関大学AO推薦入試突破の極意』(エール出版)『説教するな、説得しろ!』(東洋経済)他著書多数。修士(教育学)


【大杉氏講演のメモ】
大学入試センター審議役 大杉住子氏講演
* 高大接続改革の背景と教育現場に期待する授業改善〜なぜ問いを立てる力が必要となるのか〜
* 58万人の受験生の多様性をペーパーテストで測るのには、限界がある。出来るだけ実態に合わせたテストにしたい。
* 各教科ごとに教科企画官を設け、その取りまとめとして審議役が設けられた。
* 平成23年度のキャリア教育についての答申。幼児期から高等教育に至るまでを見据えたカリキュラム構築が必要。これを計画的、体系的に実践すべき。
* これが具体化されたのが今回の教育改革。
* 何を、どのように学び、何が出来るようになるか、を念頭に置いた授業設計、カリキュラムマネジメントが必要。
* 指導要領に初めて前文をつけた。平易な文章なので、是非読んでほしい。これは学校でのカリキュラムマネジメントのためにも必要である。
* 学校間接続の課題。生徒が高校でどんなことを学んで来たのか、大学の先生が知らない。大学の3ポリシーを見据えた進路指導をしている高校が少ない。偏差値に依拠した進路指導に偏ってはいないか。今後は3ポリシーを検討して大学を選ぶ時代になるだろう。
* 高校側は生徒の希望進路に進ませたい。大学側は大学教育に対応する基礎学力を身につけて来てほしい。
* 大学の学士力には、知識、思考力、態度が含まれる。態度はテストでは測れない。知識、思考力については再生型ではなく、思考力を問う問題としたい。態度についてはポートフォリオ等の活用になる。
* 新指導要領と新テストの整合性を見ながら作問をしている。
* なぜその教科、科目を学ばなければならないのか。社会に出た時にどう生かすかという視点が必要。新テストでもこのことを問う方向で検討をしている。
* このことを50分の授業に反映していく必要がある。
* 各教科における学習過程イメージが中教審の資料にある。HPにあるので検索して見てほしい。幼児教育期から高等学校まで、どのような問いが考えられるかの例も示してある。
* 人工知能と各教科学習について、各教科で考えられる問いを作って見てほしい。例えば、保健体育。バスケの審判をAIがやったらどうなるか。社会科では、現代は第四次産業革命と言われるが、このことを教科書に書くならどう記述するか、など。
* 見方や考え方について。5円玉を観察。稲穂、歯車、植物の芽はそれぞれ何を表現しているか。技術家庭科としては穴をあける処理にはコストがかかるが、なぜあけているのか。理科ならば表面のサビを取るにはどうすれば良いか、など。
* 新テストについて。今までの問題が全てチャラになるわけではない。第一回目と比べても問題の質は向上している。現場からの声などを反映して年々改善を図っている。
* 試行テストの作問には高校の教員も携わっている。高校生の実態に合わせた問題になるように。
* 記述式問題。将来的にはAIに採点させたい。研究はすすめている。
* 国語の記述は、文章の美しさについては判定しない。チェックリストにある項目についてのみ採点する。
* 数学記述は無回答率が高かった。試行テストは5分位図を提供している。成績層別に差がないと、選抜試験にはならない。
* 新テストは、入試の後の力を身につけるためのテストにしたい。
* 英語の外部テスト。大は小を兼ねる形にはならない。説明資料の下側にあるところまでよく読んでほしい。
* 高2のときに生徒毎にIDを発番する方法を検討中。